何度も死ぬかと思った それでもしょうがなかった
死んでもおかしくないほどの傷を負った それでもなんとか生きていられた
でも 今日こそマジで俺はここで終わるんだと 目の前が真っ暗なのに頭のなかは真っ白になった
そんな時 空を感じた――
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■ 空to雲to ■-NARUTO-
「…なァ…――」
そう切り出したのは俺だったか、それともサスケだったか――
そんなこともわからなくなるほど意識が半ば向こう側に飛んでいた。
乱れたままの呼吸。肩が大きく上下している。
吸って 吐いて吐いて吐いて吐いて また浅く吸う。
なんとかフツーに喋れるくらい呼吸を整えて、俺は隣で同じように乱れた呼吸を整えているサスケを見た。
視線が交わった。
「――んだってばよ…?」
サスケの射竦めるような視線に思わずたじろいでしまう。
「――こっちのセリフだ」
あいかわらず剣呑な輝きを放つ目。おっかねぇな、やっぱこいつってば。
どうやら、さっさと話せとサスケは先を促しているらしい。それでやっと最初のセリフは俺が言ったのだと気付く。
「あ、あァ………――――――――――――
…………………なんだったけ…?」
「…知るか」
愛想もへったくれもないあいかわらずの突っ返されたような答え。
そりゃさ、確かにそーなんだけどよ…もっと他に言い方ってもんがあんだろ?
立っているのもおっくうで、俺は背中から地面に倒れた。
どん――と軽い衝撃が腹に響く。あぁそうだ。傷があるんだった…。
踏み潰した草の匂い。まだ朝露に濡れているのか湿気を含んだ独特の青臭い匂い。
じわとして冷たい地面に 体中の熱が沁みこんでいくような不思議な感覚。
手で探って腹の傷を確かめる……渇きかけた血がこびりついた。
――どっと地面が揺れた。左隣を睨みつける。
「真似すんなよ、サスケ――」
「阿呆…立ってられるか」
地面が揺れたのはサスケが倒れたからだ。
草の匂いが増した。血の匂いも。
ちらりとサスケの傷の盗み見る。
肩のぱっくり開いた傷口は溢れた血が凝り固まって真新しい血がこぼれるのを阻んでいる。
それほど深くはない。倒れたのも意図的にだったらしい。
……やっぱ真似してんじゃねぇーか。
胸ン中でぼやいて空を見上げた。風が鼻の頭を翳めて丈の長い草を揺らす。
ざわざわと穏やかに過ぎて行く時間。いつからこんな時間を過ごさなくなっただろうか。
「……なァ…――」
あぁそっか、思い出した。俺がさっき言いたかったこと。
「俺たち、まだ、ちゃんと、…生きてるんだよな?」
曖昧な意識と肉体の狭間。
苦痛も疲労も限界をとっくに越えてて、自分の存在さえ希薄に思えて仕方がなかった。
生きてンのか、死んでンのか、
目の前は真っ暗なのに頭のなかは真っ白で、そんな当然のことさえわからなかった。
俺の問い掛けにサスケは答えない。
このやろ、聞いてやがンのかよ…? 寝てんじゃねぇだろーな?
むっとなって首だけ動かしてサスケを視界に納める。
サスケの頬には一筋の赤黒い線。返り血を手の甲でぬぐったアト。
「 」
その色に見入ってしまったその一瞬、かすかにサスケの唇が動いた。
聞き取れなくてその唇を見つめる。少し渇いてる…。
「……生きてるに、決まってるだろ……」
ウスラトンカチ、そう最後に付け加えてサスケは俺にむかって高慢ちきに笑いやがった。
「!!!!!」
こ、の、くっそやろー!! あーっもう怪我さえ負ってなきゃシメてるってばよ!!
でもそんな態度よりもっと腹立つのは、そんな笑顔に一瞬でさえも見惚れた俺自身だ!
「あー、もうやってられねぇってばよ……」
またすぐに目を閉じたサスケ。
怒りを持て余した俺は、ふてくされるようにただまっすぐ空を睨みつけた。
微かな心音が地面を通して伝わってくる……。
―――ちゃんと…生きている。俺もアイツも。
それは確かな証拠。揺るぎ無い事実。
空が果てしなく続いているように――
雲が限りなく流れつづけるように――
サスケ――、アイツは『空』みたいなヤツだ。
いくら追っても追っても届きはしない…。見えてるのに見えない。そこに在るのにそこに無い。
俺はきっとあの雲のようにずっと追い続けるしかないんだ……
空(サスケ)を―――――――。
「……雲が流れてる……」
「…空が侵食されてるんだろ――」
自然にこぼれおちた言葉に、意図せず返ってきた言葉。
いつのまにか目をしっかりと開き、雲を睨みつけているサスケの横顔。
「――雲に空が侵食されてるんだ…あれは――。
…自由自在に形を変えて 何かのきっかけ一つで 空を覆い隠せるほど分厚くてしつこい雲になる……。
『空』にとっちゃ脅威だ。――『雲』は…オマエみたいだな、ナルト」
一陣の風がそれ以上の会話を阻むように強く身体の上を滑って行った。
ただ ずっと 目の奥まで広がってゆく空と雲。
一瞬、重なった一つの心音しか聴こえない――――――
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風が収まって、俺は確かな心音を背中で感じながらなんとか言葉を紡ぎだす。
「――なァ、サスケ。俺はぜってぇ死なねぇから……だからおまえも…死ぬなよ――」
そう、俺が伝えたかったコト。
簡単に言葉なんかに出来なくって、今更照れくさくって言えなくて……でもきっと伝えなきゃ後悔するたった一言。
ちっぽけな俺たちの生なんて、この空と雲には死とそんな変わらねぇものかもしんねーけど
足掻いて 足掻いて 足掻いて 死なねぇように生きてやろう――
………
「っつーかさァ…お前がいなくなったりしたらさ、俺はお前に追いつけないだろ
俺はお前を越えて 絶対『火影』になってやるんだってばよ!」
照れくさくって、ごまかすようににっと笑いかけた。
このウスラトンカチ――
そう唇だけで呟いたサスケの目元が、優しく見えたのは俺の気のせいかもな……
あーなんだか眠ぃ。
ひんやりした地面とぽかぽかした陽気と影を作ってくれる雲といい夢見させてくれそうな空。
隣からは微かな寝息が聞こえてくる。
サスケのヤツ、早いってばよ! 俺より先に寝ちまうなんて――
………でもまぁ、今日は許してやるよ。………
空と雲と
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意図していなかったのに、イラストのナルトとサスケ…微妙に手繋いでるように見えませんか? それとも私の妄想!?
別々にお絵描き掲示板で描いた絵です。つ・ま・り、使いまわし(死) ちゃんと対に見えるでしょうか…?どきどき。
しっかし無理して書いてるのバレバレですな! とくに言葉使いとか言葉使いとか言葉使いとか!!(笑)
最後のナルトのセリフ「俺より先に寝るな」は、深読み厳禁vv(爆死) さらっと流してくださいませ☆☆☆
ただの負けず嫌いなだけなのですよ〜〜!!!!(^-^; 文はちょっと添えるだけのはずでしたが、いつのまにか長くなっちゃいました。
雲=ナルト、空=サスケ、はこのSSを書きながら思いついた設定です。 行き当たりばったり過ぎデスね(苦笑)
なんとか一つの話にまとまってくれたので、嬉しい限りです! 暴走しそうで怖かった…。
さて、私の拙いSSにお付き合いくださったみなさま、どうもありがとうございました!
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