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数えた雨粒の音だけ花喃の笑顔が脳裏に蘇る。 「…八戒、いる?」 遠慮がちにかけられた声が僕の胸を締め付ける。 「――こないで、ください」 こんなに震えた声が僕の声なんでしょうか。 「おかゆ、作ったの。何か食べなきゃ」 気遣ってくれる優しさが、僕を苛むことをあなたは知らない。 「いりません」 「でも昨日から…」 「いらないといってるでしょう…!」 自分勝手な苛つきを当てつけるべきじゃないのはわかっているのに、とめられない。 「…ごめんなさい。本当に、いらないんです」 僕を苛むのは僕の心。 「わかった。食べたくなったら、来て」 いつもとかわらないあなたの態度。 だから惹かれる。 わかったといいながら、そこから動こうとしない。 「いって、ください」 花喃。 呪文のように雨音が囁く。 花喃。 あなたは笑いながら僕を責めているのでしょう? 「僕に構わないでくださいっ!」
「嫌よ」 ぴしゃりと頬を打つしなやかな掌。 「雨が降るたびにそうやって感傷に浸るの? 「あなたにはわからない」 「ええ、わかりたくもないわ」 かっとして反射的にあげた手があなたのやわらかな頬に振り下ろされる。 赤く痕の残る頬。 「…そんな風に見ないでください」 「どんな風に? 穏やかな口調がまっすぐ僕に向かってくる。 そう―― あなたが責めるんじゃない。 花喃も僕を責めたりしない。 「――責めてくれたほうがずっといいのに」 この、どこにも行き場のない後悔を解き放つ術がない。 泣いて、喚いて、叫んで、罵倒して、僕を責めてくれれば、もっと楽だったのに。 「花喃――」 呼んでも答えるひとはいないのに。 ひんやりとした指先が伝う涙をすくう。 「自分を責めたって誰かを責めたって過去は取り戻せないでしょ。 思わず笑った。 あなたなら本当にやりかねない。 そして―― 「花喃も間違いなく蹴りどころかコンボ技で入れますね」 「それが普通の人間の反応だわ」 「普通の人はそんなことしないと思いますよ」 雨の日に自然に笑えたのは初めてだ。 腫れてしまったやわらかな頬に触れる。 「すみません…痛かったでしょう?」 少し指先が触れれば、痛みで顔をしかめるあなた。 「このぐらい八戒が笑えるようになったんだからどうってことない。 「――はい」 頬に添えた掌に気をためる。 あなたを癒しながら、僕が癒されてゆく。 「ありがとうございます」 小さな声でつぶやいた。 花喃、あなたに対する想いは今も変わりません。
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はい、やっぱり同じ日になりました。八戒編です。 本作の"花喃"エピソードを入れての、名前変換のないドリー夢小説です(苦笑) もう、題名のとおり何もかもがイタいです!ぶっちゃけ! どこをどうしたら、八戒で恋愛とかなるんでしょう。一番無さそなキャラじゃん。 まぁ、最初に「最遊記」で「ドリー夢小説」で「恋愛でGo」なコンセプトを作った私が原因なんですけどね。 難しい、難しい、八戒さんて。 まず花喃さんの事に触れないわけには行かないし。でも触れたら触れたで恋愛できねぇし・・・。 そんなこんなで、あえて“あなた”には体を張ってもらいました。 つまり、一番ありえない部分をさらにブっこむ、なんていう荒業です。 八戒に女性を殴らせたのはもしかして私が初めてなのでは!? うわー、石投げられるぅー!!(笑:投げないでね) でも八戒さんが本気で殴ったら首が吹っ飛びますよ、ってことで、ちゃんと最低限の手加減はしてるんですよー。(フォローが遅い) ではでは最後は悟浄ですね〜。 彼だけまったく出来てませんので(爆)、しばらくお待ちください。 設定はやはり“あなた”ですよv 2003.10.10 |
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